動物の健康
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乳腺(乳房)は左右両側に4〜5対あり、それぞれがつながって脇の下から足の付け根まで伸びています。この乳腺に出来る腫瘍は、乳頭の周辺に硬いしこりが触れるのが特徴です。

乳腺腫瘍は全ての腫瘍の中でも52%を占め、発生率第1位の腫瘍発症年齢は8〜11歳ですが、2歳の若い犬にもみられることもあります。

乳腺腫瘍には良性のものと悪性のものがあります。悪性のもの、いわゆるガンである確率は50%であるといわれています。
乳ガン(悪性腫瘍)の場合、しこりは急速に大きくなり、1〜2ヶ月で2倍になる場合があります。
初期にはその他の異常は全く認められません。
また、長い間大きくならなかったしこりが突然大きくなり始めることがあり、この場合も乳ガンの可能性がおおいに疑われます。



ガンがうたがわれる場合は、しこりの部分だけを切除するのではなく、まわりの健康な組織もふくめて乳腺ごと切除します。
直径1cm以下の大きさガンであれば、手術を受けることでほとんど完治します。しかし、しこりが大きい場合、あるいはガンの悪性度が高く周囲への浸潤が強い場合は、手術で完全に取りきることは難しくなってきます。このような場合には、取りきれなかったガン細胞をやっつけるために化学療法(抗がん剤療法)が必要となってきます。



ガンの確定診断を下すためには、しこりを採取し、病理的な組織検査をします。しかし、乳腺全体にわたり複数のしこりがあり、乳ガンの可能性が高い場合には、治療の目的もかねて乳腺を大きく切除し病理検査をおこない診断します。
また、ガンが疑われる場合は、レントゲン検査などでほかの臓器(特に肺)に転移していないかどうか確認することも大切です。もし、肺に転移があれば、今後の予後や治療方針が変わってきます。




早期の避妊手術で犬の乳腺腫瘍はふせぐことが出来ます。
避妊する時期 乳腺腫瘍発生率
初回発情前
0.05%
初回〜2回目発情間 8.0%
2回目発情以降 26.0%


避妊していない猫は避妊済猫より
7倍以上も乳腺腫瘍が発生しやすいです。

犬も猫も生後6ヶ月からの避妊手術が可能です。